去年の12月にテレビが壊れてから丸8ヶ月、7インチワイド液晶のしょぼい画面で過ごしてきて、途中もうテレビはいいかなと思ったりもしてたんですが、価格ウォッチだけは続けエコポイントやアナログ放送終了の便乗値上げは無事スルー、半年前の46インチの予算で50インチを買ってもおつりが出る状況になったところで決断しました。パナソニックのTH-P50VT3。写真の状態でようやく落ち着いた感じになったので、ここまでの道のりや雑感などを。
購入は7月末。3Dグラス2個+BDソフトのプレゼントキャンペーンが7月いっぱいで終わるという店員の一言が最後のひと押しとなりました。4:3から16:9への買い替えのためラックも同時購入。写真のスピーカーを既に持っていたのでシアターラックにするかどうか迷ったんですが、20年前の製品でしたし、レイアウトの都合で必須だった壁よせスタンドの純正品TY-WS4P3TがVT3には非対応で、サードパーティ製品は転倒などが怖くて買う気になれず、壁寄せに対応している SC-HTF7-T + SH-KHTF7-K の組み合わせを選択。1週間ほどで納品可能ということでしたが、こちらの夏休みもあったりしたため8月中旬にしてもらいました。設置サービスをお願いしたところ、当日はなんと三人体制で来てびっくりしましたが作業の様子を見て納得。テレビやシアターラックは一人ではとても持てない大きさですし、補助役も付けてテキパキと作業する様はなかなか小気味のよいものでした。
レイアウトは6畳間の長辺中央に写真の通り壁よせ、反対側にはIKEAのソファーベッドを置き、その両脇にサラウンドスピーカーという配置で、ソファーに座るとテレビ画面からの距離が190cmほどになります。16:9のテレビでは最適視聴距離が画面高さの約3倍ということらしいので、50インチ(高さ62.2cm)ならほぼ理想的な配置です。
実際に設置してみた印象としては、思っていた程のやっちゃった感はなく、結構自然に部屋に収まっている感じです。先に書いた通り理想的な距離のためか画面全体がちょうど見渡せる感じで没入感もすばらしい。
画質はさすがで、
など想像以上の満足度を得られ、これだけでもよい買い物をしたなぁと実感しました。
一方で音質の方は、テレビ内蔵スピーカーではくぐもっている上に低音域がむやみに強調された音が画面の下から漏れてくる感じで、ステレオ感も全くない。この薄さではエンクロージャに工夫する余地も無くしょうがないのかもしれませんが、せっかくの高画質なのに内蔵スピーカーで済ませるのはかなりもったいない気がします。これをシアターラックに切り替えるとアナウンサーの声はハッキリ、F1マシンも画面に合わせて左右に移動するようになり、この組み合わせでようやく音と映像のバランスがとれてくる感じです。
ここらへんから何かが狂いだしますw
テレビを見ていると、地デジやBSは1080iできれいに映るんですがCATVのチャンネルがCSフジのNEXTを除いて480pで、画面が粗いのがはっきりと分かるようになってしまいました。CATVのチャンネル一覧を見ると、+1,000円/月でデラックスコースというのがあって、HDで見たけりゃこちらを契約しろということのようです。ただ、よく見るとデラックスコースではCSフジの1,2が標準になっており、1,2,NEXTの1,500円/月の契約がNEXTのみの1,000円/月に変更となるため、私の場合は+500円/月で10チャンネルをHD化できる計算に。ならということで契約を変更。すると思わぬ特典というか、J SPORTSがSDとHDを走査線数以外の所でも差別化しているを確認できました。
[clear] 左がスタンダード、右がHDの画面ですが、スタンダードでは上下に黒帯が付いて圧縮されています。見づらいですが画面右下の透かしの表示が黒帯部分まではみ出しているので、CATV側の変換ではなくJ SPORTSの配信映像が元々こうなっているようです。
さて、この時点でシアターラックの音質にさほど不満があった訳ではないのですが、音が画面の下から来るのだけにはどうしても違和感がありました。そこでものは試しにと、持っていたスピーカー(SANSUIのS-7XV)とアンプ(DENON AVC-1550)を繋いでみることに。スピーカーは学生時代に長岡鉄男氏に感化され、バイト代を1年ぐらい貯めて買った20年もの。アンプも10年前に、主に映画ソースのドルビー対応のために買った物で、映像はS端子しかないものの音声はかろうじて光入力端子があります。これをテレビの光出力端子と接続してどんなもんかと聴き比べてみたところ、20年前の製品ながらも単品でシアターラックとほぼ同じ値段したスピーカーはさすがでした。まず音の定位はスピーカーの高さもあってセンターの音が画面の中央にビシッと決まり、左右方向の定位も段違いです。また、音質もニュース番組とかの人の声の領域ではあまり差は感じられないものの、音楽やF1中継の音で比べると全音域でかなりの情報が落ちているのがはっきりと分かります。こうなるとシアターラックの音には戻れず、ややもったいないですが壁寄せラックとなる運命に。
ところでこのアンプ、サイズが大きすぎてラックの棚に収まりません。しばらくラックの天板の上に置いていたんですが、シャンパンゴールドの筐体が光を反射して部屋を暗くしての映画鑑賞モードではいただけない。さらに悪い事に、震災の片付けの際に間違えてリモコンを捨ててしまったらしくどこを探しても見つかりません。で、ここまですっかり暖まっていると「しょうがないなぁ、最新のアンプを買うか」となる訳で、ますます深みにはまっていくのでした。
というわけで、
という条件でアンプを探した所、あつらえたようにMarantzのNR1402が7月に発売されてるじゃありませんか。上位機種でNR1602というのもありますが、比較すると|http://www.marantz.jp/jp/Products/Pages/ProductComparison.aspx?CatId=HomeTheatre&SubCatId=AVReceiver&ProductId=NR1402ネットワーク関連機能とUSB、7.1chへの対応といった、個人的には不要な機能を削って値段は半分だったので迷うことも無く1402を選択しました。で、ふらふらと近所の電気店に行った所、在庫があったのでテレビを買った担当者を呼んで値段を聞くと当時の最安値+1,000円ほどと言われ、即決して持ち帰りました。
閑話休題
時期は前後しますが、ちょっと想定外のトラブルもありました。テレビが「当たり」だったのが嬉しくて、これまでに溜め込んでいた録画を見直していたところ、録画のコピー&DVD焼き用に使っていたRD-X3のHDDが突然お亡くなりに。何度電源を入れなおしてもHDDを認識せず、最終手段のフォーマットすらできません。データが消えてしまったのも痛いですが、このままではSTBに残っている録画番組を保存用媒体へ変換する手段が無くなってしまうため、どうにかしないといけません。
選択肢としては、
ぐらいが考えられますが、RD-X3はSD画質までしか対応していないため、いまさらお金をかけて修理する気にはなれませんでした。Blue-rayデッキの購入は、
ということであきらめ、まんまとCATV局の思惑に嵌っている気がしつつも、STBをアップグレードする事にしました。2,000円/月追加料金がかかるので、DMR-BWT500相当と考えると、約2年で支払い額が逆転しますが、HDDの交換保証が年数無制限で付いて、新機種が出た時には交換もできるかもしれない事を考えればそう悪い条件でもないでしょう。壊した時の賠償金が10万円なので、その値段だと思えば4年使ってもおつりがきます。
さてこのCATVのSTB交換ですが、実のところテレビの購入と同時に交換する事も考えて軽くあたってはいました。しかしテレビ購入前に電話で問い合わせた時には古いSTBからBlu-ray STBには録画番組の移動ができないと言われたため、少し引っかかりを覚えつつも、古いSTBの録画データをDVDに焼くまではそのままでいくつもりでした。ところが、DVDレコーダーの故障で事情が変わったため、まじめに調べる事に。以下、経緯を箇条書きで。
というやり取りがあって、料金アップはしょうがないかとレンタルサービスを使う事に。対応機種のレンタルはDMMで8,760円/月でもやっているようなので、同じ事をしたい人はこちらを利用した方が良いかもしれません。
というわけで無事録画番組をDIGA経由で新しいSTBに移動できた訳ですが、やってみて気付いた点など。
さてこうして(一部意図せぬ)グレードアップをあれよあれよという間に重ねていったシステムですが、最終的に次のような組み合わせになりました。
[flat] ;テレビ
;Blu-ray STB
;AVアンプ
;ゲーム機
[clear] これらの機器をNR1402を中心に接続してHDMIコントロールをすべてONにすると、かなり自然に連動する上、ほとんどの操作をテレビのリモコンだけで行う事ができます。
以下、少し残念な点
→リモコンのビエラリンク→ケーブルテレビを見る、で切替操作は可能
→サブメニュー+上で同じ操作は可能だが1ストローク増え、操作説明の表示が自動的には消えない
→STBを見ている時にテレビ側の録画番組を一発で呼び出せると考えると便利っちゃあ便利。また、手順は増えるが「リンク」ボタンのメニューから[ケーブルテレビの操作一覧]→[録画した番組を見る]でSTBに録画されている番組をテレビのリモコン操作だけで見る事はできる
→ゲームの時はPS3のコントローラから電源オンできるし、映像ディスクを見る時には本体の所まで行く必要があるので、不便というほどではない
→解決策無し。アンプの入力ソースを切り替えでPS3の連動電源オンはできるので、その操作だけはできると嬉しいんですが…
→諦めてテレビのリモコンをメインで使う事にしました
このように少々難点はあるものの、以前なら電源を入れるだけでも学習リモコンを切り替えては操作を繰り返す必要があったのが、テレビ単体を操作するのとほぼ同じ手順だけで済んでしまうというのは、店頭で経験した3Dなんかより遥かにエポックメイキングな体験でした。メーカー各社はこんなに便利な連動機能をなぜ○○リンクとか言って全くの別物のような扱いにして宣伝しないのか不思議でなりません。
一方で、著作権保護については本当にガチガチになっています。
まずこのテレビには外付けUSB HDDへの録画機能があるんですが、録画できるのはテレビのチューナを使った番組だけで、STBなどのHDMI端子から入力された映像は録画できませんでした。また、テレビにはHDMI出力、STBにはHDMI入力端子がないので、テレビの外付けHDDに録画した番組をHDMI接続でSTBに移動してBlu-rayに焼く、ということがHDMI接続だけではできません。これを確認した時にはテレビにHDD接続できる意味ないじゃんとかなりガックリしたのですが、DLNAに光明がありました。
で、最終的にはビエラの外付けHDDからSTBに番組をダビングできるようになったんですが、結構複雑で実は何が効いているのかよく分かってなかったりします。ともあれ、記憶にある限りでやったことを書いてみます。
これで、テレビで録画した番組をSTBにダビングできるようになります。
[clear]
嬉しくて長々と書いてしまいましたが、結論としてはとても良い買い物をしたなと。
正直、ニュースやバラエティ、ドラマなどを見るのにこんなシステムをわざわざ組む必要は全くないでしょう。が、スポーツを始めとする中継や映画を見るためにHDTV+AVアンプの環境を整える価値は十分にあると断言できます。テレビが壊れ、さらに震災で部屋がぐちゃぐちゃになってから家ではだらだらと過ごすか仕事をするかという状況だったのが、夜テレビを見るために昼間の仕事の能率がむしろ上がったぐらいで、良い物を楽しみ、その楽しみのためにがんばる、という生活サイクルを久しぶりに取り戻すことができました。
また各国のスポーツ映像を比較すると分かるのですが、日本の放送のクオリティはいまもって群を抜いています。せっかくのこのクオリティ、味わってみて損はないと思います。
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